小山 奈穂 Nao Koyama
現在は、動物園・水族館における自然造形(擬岩・擬木)やオブジェ、サインなどについて、デザインから製作まで手掛ける会社の企画部に勤務。麻布大学博士(学術)。
博士課程在学中は動物行動管理学研究室に所属し、「動物園動物の福祉」をテーマに動物園の飼育環境や管理法の改善を目指した研究を行なっていました。
飼育動物は、放飼場や寝室といった目に見える環境だけでなく、飼育担当者の存在や管理作業など「人」からも大きな影響を受けています。私は、「環境を豊かにする試み」である環境エンリッチメントの中でも、特に「人と動物の関係性」に着目しています。飼育現場に携わる人々の動物への思いや日頃の努力がどのように動物に影響しているのか、データという客観的な形にすることは、動物のためだけでなく飼育担当者の方々にも励みになるのではと思います。
今後も、動物園動物に限らず畜産動物やコンパニオンアニマルなど、さまざまな飼育動物と人との関わりがより良いものになるよう、サポートしていきたいと考えています。
【これまでの主な研究】
アカカワイノシシ
・飼育下のアカカワイノシシにおける分娩前後の行動と子の成長に伴う母子行動の変化
アジアゾウ、アフリカゾウ
・単独飼育にともなう飼育管理の変更がゾウの行動パターンに及ぼす影響
・管理者の関わりがゾウの常同行動に及ぼす影響