ワークショップ報告「動物園で行動観察をしてみよう!」

ワークショップ報告「動物園で行動観察をしてみよう!」
主催:SHAPE-Japan・応用動物行動学会
場所:京都市動物園 日時:2013年9月1日(日)10:00~12:00

2013年9月1日、野生動物医学会のワークショップ「動物園動物の行動研究:行動観察をしてみよう!」を京都市動物園で開催しました。普段、私たちは動物のいろいろな動作を何気なく見ていますが、連続する行動を定量的にかつ客観的に記述していくことは意外に難しいものです。しかし、行動観察は、動物の状態を客観的に把握する上で、コツさえつかめば低コストで誰にでもおこなえる有力な方法でもあります。
今回のワークショップの目標は、そんな行動観察の基礎を知ってもらい体験してもらうこと。当日は、学会の最終日にも関わらず22名の方達が参加してくださいました。野生動物医学会の中での開催らしく、獣医学を学ぶ学生さんが中心となりました。

まずは動画の中の動物の行動観察にチャレンジ
ワークショップの時間は2時間。前半は視聴室でレクチャーがおこなわれました。レクチャーでは、「何故動物園で行動観察をするのか?」という、行動観察が環境エンリッチメントなどの飼育管理にどう活用することができるのかという話と、そのためにはどのような手法でデータ収集をおこなっていくとよいのかという観察方法の具体的な説明が中心となりました。そして、いくつかの動物の動画をスクリーンに流し、参加者にはさまざまなタイプの観察方法にチャレンジしてもらいました。一個体がおこなった行動を全て記録していく連続記録、複数の群れの個体を同時に観察すことが可能なスキャンサンプリング…行動の記録をとる間隔は一分間隔でも意外に短く、合図のアラームがなった瞬間に画面とシートを熱心に見比べる参加者の方々の顔は真剣そのものでした。

 

実際に動物の行動を観察する
レクチャーの後は、京都市動物園の園内に出て、ゴリラ、キリン、フラミンゴの3グループにわかれて行動観察をおこないました。複数の個体を観察するグループは、まずは個体の識別からはじめます。そして、レクチャーで説明のあった観察方法のうちのひとつを用いて、動物達の行動を実際に観察シートに記入しました。行動観察を終えた後は、ふたたび視聴室に戻り、個別のデータ集計や、他の人が収集したデータと比較したりという作業にとりかかりました。各グループでは、複数人で行動観察をするにはどうすればよいのか、こういう行動が確認された場合はどういったデータの取り方が効果的なのかなど、行動観察を実際におこなう上で直面する疑問が沢山出て、なかなか話題はつきなかったようです。

 

参加者のみなさんからは…
ワークショップ終了後におこなったアンケートには、「本で読むよりも実際に話を聞いて実践することで、理解がしやすいと思った。今後も仕事の中でもいろいろな手法での観察を取り入れたい。」「行動観察にこれほど様々な方法があることを知らなかったので勉強になった。また、思っていたよりもとても難しかった。」「いつもとは違った視点で動物をみることができておもしろかった。」「もう少し長くてもよかったくらい、おもしろかった。連続記録が難しかった。動物園動物をここまで細かく観察したことはなかったので、新鮮な体験だった。」という感想が寄せられました。

 

最後に、このような機会に快く学びの場を提供していただいた京都市動物園の皆様、全国からご参加いただいた参加者の皆様、野生動物医学会の皆さまありがとうございました。SHAPE-Japanでは、今後も機会があれば、いろいろな場所でこのようなワークショップを開催したいと考えています。ご興味がある方は是非お声かけください!

(やまざき)

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