教育イベント「動物園がもっと楽しくなる! 展示の秘密を探すコツ、教えます」活動レポート

こんにちは、SHAPE-Japanです!最近では対面の活動も少しずつ増えてきています♪今回はサイエンスコミュニケーターユニット どうぶつたちの眠れない夜に とのコラボ企画で、千葉市動物公園協力のもと2023年8月26日(土)に実施した教育イベント「動物園がもっと楽しくなる! 展示の秘密を探すコツ、教えます」の活動の様子をご紹介します。

今回の教育イベントのテーマはずばり「動物の展示」です!
動物園に行くと、動物がずっと動かなかったり、室内に入って動物がいなかったりという経験はありませんか?そのような時は、すぐに次の展示に向かってしまうこともあるのではないでしょうか。でも実は動物が動いていなくても、そこに動物がいなくても、動物の展示(=環境)を見るだけで、実はその動物がどんな動物か、飼育員がどんな工夫をしているのかを知ることができるのです!!
展示のどのようなところを見ると秘密や工夫を知ることができるのか、みんなで探しつつ、動物園のプロの視点からも教えてもらおう!という企画です。

小学生~大人の方を対象に参加者を事前に一般募集したところ、なんと参加チケットが完売となりました!当日は39名(AM 21名・PM 18名)の参加者と一緒に2時間のプログラムを行いました。

まずは千葉市動物公園のレクチャールームにて動物園について学びました。動物園の起源や動物園の役割について、わたなべさん(どうぶつたちの眠れない夜に)がクイズを交えながら丁寧に説明していきました。その後、小倉(SHAPE-Japan)から動物福祉とは何かを話ました。ところどころでわたなべさんとのかけ合いもあったのですが、動物福祉を「動物の幸せの状態のものさし」と表現していたことやペープサートを使って分かりやすく説明していた様子は、さすがサイエンスコミュニケーターだと感じました。続いて小山(SHAPE-Japan)からは環境エンリッチメントについては、カテゴリーごとに事例写真や、実際に千葉市動物公園で使用しているフィーダーなどを用いながら紹介していきました。

座学の後半は、中山(千葉市動物公園/SHAPE-Japan)が展示の秘密を探しに行く動物の生態を解説しました。今回対象とした動物は「アカハナグマ」・「コツメカワウソ」・「レッサーパンダ」です。全て食肉目の動物ですが、生息環境が異なることから、気候や天敵が異なり、活動場所や食物にも違いがあるので、この後の展示観察のヒントになるような各動物の生態を伝えていきました。

アカハナグマ
コツメカワウソ
レッサーパンダ

参加者は配布されたワークシートに生態を記入し、それを持っていよいよ展示の観察に向かいます!

当日は雨予報もありましたが、屋外観察の時は日が差していました。PMはすっかり晴れて真夏の太陽の威力を感じながらの観察でした。観察は各動物約10分ずつ行いました。

観察では、まず参加者が動物の生態を記入したワークシートをもとに自分でヒントを探します。少し経つとわたなべさんが「休憩場所を探せ!」や、「植物は何のためにある?」など、目を向けるヒントを書いたカードを小出ししていきました。参加者はヒントをもとに視点を絞りながら関係する展示の要素を探して観察用ワークシートに気づいたことを書いていきます。

「休憩場所を探せ!」のカードを出した時にやぐらの上で休息を始めたアカハナグマ

コツメカワウソの展示場に行くと、カワウソは室内で過ごしているようで展示場には誰もいませんでした。でもまさにこのような状況で展示を見て動物の情報を知ることが今回の醍醐味でもあったので、参加者の皆さんも展示を隅々まで観察していました。

カワウソの「池の底に注目!」

今回観察した3種の展示場は千葉市動物公園の「小獣ゾーン」にまとまっているので、10分じっくり見た後、すぐに次の展示場に移動して記憶が新しいうちに見比べることができたのではないかと思います。床の素材や、植栽の密度や高さ、木の種類や配置など、同じ食肉目の動物なのにそれぞれ異なる特徴を持つ展示場を前に、参加者の皆さんもワークシートに沢山記入してくれました。

アカハナグマ展示場
コツメカワウソ展示場
レッサーパンダ展示場

観察が終わった後は再びレクチャールームに戻り、今度は発見したことをみんなで共有しながら、展示の工夫や意味を振り返っていく時間です。振り返りがしやすいように観察中にゆっこさん(どうぶつたちの眠れない夜に)たちが会場のレイアウト変更もしてくれていました!

振り返りは観察中にカードでも出していたヒントに沿って進めていきました。まずは参加者の皆さんの考えや予想を聞いていきます。出てきた考えはボードに書いていきました。マイクを向けられて「分からない・・・」となった時も、すかさずわたなべさんが「アカハナグマはひらけた場所が苦手だったよね、植物があるとどうかな?」など、答えやすいように質問をアレンジしていました。コミュニケーションを生み出す力がさすがです!
そして皆さんの考えや予想を聞いた後、今度は動物園職員が、動物の生態に合わせた展示の工夫を解説しました。

好奇心旺盛で手先が器用なアカハナグマのフィーダーの素材は、食べても安全な自然素材
コツメカワウソが色々な位置や高さから見渡せるように、切り株を複数箇所に設置
木の上で休息するレッサーパンダの木は、枝振りの良いものを選択
振り返りの時間で出てきた展示の工夫や意味をまとめたボード

1回の参加人数が20名だったので、振り返りの時間中に参加者からも質問があり、和やかな雰囲気でした。

最後はおみやげをお渡ししてみなさんをお見送りします。おみやげは、どうぶつたちの眠れない夜にオリジナル「パックンチョ」です!このパックンチョは今回座学や観察を通じで発見したことをゲーム感覚で思い出せるので、家に帰ってからも振り返りの続きができますね。

参加者からいただいたアンケートでは、動物福祉や環境エンリッチメント、展示環境への理解が深まったなど、沢山の嬉しいお声をいただきました!感想の一部をご紹介させていただきます。

  • 人が幸せに思うことが必ずしも動物にとって幸せではないないことをもっと広められ
    てたら良いと思った
  • エンリッチメントを理解しているつもりだけど実際話を聞くと新しい発見があった
  • 何度も来ているけどじっくり観察すると気づいていないことが多かった
  • 改めて考えてみてそんな理由があったのか!と納得したことが沢山あった
  • ゆっくりじっくり動物(環境)を観察するように今度から動物園をめぐろうと思った
  • 動物そのものだけでなく展示全体を観察する楽しみ方を知ることができた
  • 他の動物の展示環境も観察して色々なことを発見したい
  • 動物のかわいさしか見ていなかった展示の工夫が沢山つまっていてこれからの動物園
    の見方が変わると思った

そして最後に今更ですが「サイエンスコミュニケーター」とはどんな人か聞いたことがありますか?サイエンスコミュニケーターは、一言でいうと「科学者と社会の人々の架け橋となる人」です。科学者が発信している科学情報の中には、専門的で難しく、広く伝わらないこともあります。サイエンスコミュニケーターは、そのような科学情報のおもしろさを分かりやすく一般の人に伝えてくれるだけでなく、社会の中にある疑問や課題を科学者に届けることで、双方のやりとり(=コミュニケーション)を生み出してくれる人たちなのです!

今回コラボさせていただいた「どうぶつたちの眠れない夜に」も、動物に関する話題や問題を考え、日々発信されていますのでぜひ見てみてくださいね!
HP:https://note.com/animal_sleepless/
X:https://twitter.com/sleepless_AW

わたなべさん、ゆっこさん本当にありがとうございました!

それではまた次回のSHAPE-Japanの活動報告もお楽しみに♪

中山 侑(千葉市動物公園/SHAPE-Japan)

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