2013年7月末に動物園や水族館の研究に関する新しい国際論文の雑誌が発行されました。
Journal of Zoo and Aquarium Researchというタイトルで、ヨーロッパ動物園水族館協会(EAZA)が主催しています。
ユニークな点は、これまで発表されたさまざまな研究事例をまとめた総説論文、オリジナルの研究論文、それに加えて、Evidence Based Practice(客観的根拠に基づいた事例)というコーナーがあることです。
動物園や水族館の飼育の現場では、特定のある個体の各々の状態を対象とした取り組みが主になります。しかしそうした事例は研究論文になり難く、たとえ飼育管理の上で有益な情報であっても情報が共有され難いという問題がありました。このEvidence Based Practiceでは、そのような客観的な指標をもとにおこなった個別の事例研究についても取り扱われているようです。
発刊頻度などはまだ不明ですが、これからが楽しみです!
第一号は下記の内容が掲載されています。
・海生哺乳類の認知エンリッチメントに関する総説論文
・イギリスの動物園におけるクーズーの給餌について
・シタツンガの活動パターンと放飼場の利用について
・反芻動物の反芻胃の健康と給餌状況の関連
・来園者の存在がアザラシの行動に及ぼす影響について
・チーターの性格に飼育施設と管理方法が及ぼす影響について
・フォッサの異常行動を治療するためのエンリッチメントプログラムについて
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.jzar.org/index.php/jzar/index
(山梨 裕美)