The Shape of Enrichment News Letter 2012年第21巻2・3号

本部のニュースレター「The Shape of Enrichment(英文)」2012年第21巻2・3号の目次内容を簡単にご紹介します。


アイアイ – トントン叩く P.1-2

 アイアイは夜行性の動物で、木の幹を指でトントンと叩いて中に潜む虫を見つけます。前肢の指は細くなっており、幹に開けた穴から虫をほじくり出して食べるために最適な形になっています。この行動を飼育下で再現するために、ロンドン動物園では、丸太にドリルで穴をたくさん開け、イモムシを入れてから箒の柄を短く切って栓をしました。野生と同じように、アイアイは指を使って虫を探し、穴を開けて虫を食べました。

フクロウにもエンリッチメントできる! P.3-4

 フクロウは夜行性の動物であるため、エンリッチメントをおこなうのが難しいと思われていますが、そんなことはありません!南アフリカ国立動物園ではアフリカワシミミズクを対象に、様々な環境エンリッチメントをおこなっています。認知・社会・感覚・採食・物理エンリッチメントと多岐にわたり、本記事ではそれらを一覧で紹介します。

来園者の学習を促す環境エンリッチメント P.4

 来園者の教育は動物園の重要な使命のひとつです。環境エンリッチメントをおこなうことで、動物の自然な行動を見せることができ、動物に対する理解が深まります。
ワイト島動物園(イギリス)では、クモザルに様々な採食エンリッチメントを与えることで、運動能力や認知能力・個体の個性などを見せるとともに、それを紹介する解説をおこなっています。

むかしパンダ、いまマレーグマ:古いエンリッチメントアイテムの再活用 P.5

 エンリッチメントアイテムが壊れたり摩耗したりした場合、多くは捨てられてしまいますが、少し修理するだけで再利用可能なこともあります。これにより、材料や費用の節約につながります。
アトランタ動物園(USA)では、プラスチック製のフィーダーをジャイアントパンダに与えていました。採食時間を長くするのに役立っていたのですが、仔パンダがかじってしまい、少し危険になったため取り除かれました。その後、かじられてしまった部位を除去し、少し改良を加えて、マレーグマ用のフィーダーとして再利用したところ、うまく使ってくれました。廃品を捨てることなく再利用することで、新しいエンリッチメントを作ることができました。

ヘビの抜け殻エンリッチメント P.6

 他の動物が残した物や臭いは、素晴らしいエンリッチメントになります。ロンドン動物園(イギリス)では、ヘビの抜け殻をキンカジューやアカハナグマ、ミーアキャット、キイロマングースなどいくつかの哺乳類に与えました。抜け殻の周りを走ったり、抜け殻を引っ張ったり、噛んだり、様々な反応を見せました。

オオアリクイへの環境エンリッチメント P.7-8

 シンガポール・ナイトサファリでは、長年にわたりオオアリクイに対して様々な環境エンリッチメントをおこなってきました。人工の蟻塚を作り、中に餌を入れてオオアリクイに与えています。15分ほどかけて中の餌を食べ尽くします。蟻塚に対する探索行動を引き出すこともでき、常同行動を減らします。また、アリの食害を受けた木をエンリッチメントとして与えました。それを使って爪を研いだり、中から虫を食べたりする行動が見られました。その他にも、果物や冷凍の鶏肉をエンリッチメントとして与えています。

クマ用のグミ・スティック:エサをばらまく新たな方法 P.9

 ヨーロッパヒグマの採食時間を延長しつつ、野鳥が餌を盗るのを防ぐため、ウェールズ国立動物園では新しい給餌方法を考案しました。木の枝にアラビアガムをコーティングし、ナッツやドライフルーツをまぶしました。これをエンリッチメントとして与え、最初に挙げた二つの目的を達成することができました。

アカカワイノシシへの自動給餌の利用 P10-11

 来園者から動物が常に見えるようにし、動物の行動を適切な範囲で活発に保つことは、動物園における動物展示の課題の一つです。動物を展示に出したまま、飼育担当者の時間を節約しつつ給餌をおこなうため、ブロンクス動物園(USA)ではアカカワイノシシの給餌に自動給餌装置を利用しました。これにより、動物が来園者から見える時間が増えました。採食の機会を増やし、自動給餌装置が有用な方法であることが示されました。

サル・ケーキ P.11

 ラシーン動物園(USA)では、ケーキを作ってサルに与えています。材料はサル用のビスケットやジュース、ヨーグルトなどで、凍らせて与えることもあります。

中国で開催された2012年CAZG Shape of Enrichment

                                                             ワークショップの報告 P.12-13

 2012年4月16日-19日に鄭州動物園にて、中国動物園協会(CAZG)と協力して、中国で初めてのShape of Enrichmentワークショップを開催しました。中国の25の動物園とサファリパークから、46名の参加者が集いました。

 参加者はエンリッチメントのプランニングと動物のトレーニングについての講義を受けた後、グループに分かれてエンリッチメントのアイデアを出し合いました。その後、実際にエンリッチメントを作成し、動物に与えました。動物の行動を観察し、エンリッチメントの評価もおこないました。以上を4日間に分けておこない、参加者には修了証が与えられました。

ゼラチン・ブロックでチャレンジを作る P.14

 ベロオリゾンテ動植物園協会(ブラジル)では、飼育下で動物の自然な採食行動を表出させるため、ゼラチンで固めた果物や肉片を与えています。このゼラチンブロックを使うことで、動物の採食時間を延長することが出来ました。とくにシルバーバックのゴリラは良い反応を示し、ゼラチンブロックから熱心に果物をほじくっていました。

ゼン P.15

 ドレクセル薬科大学では、齧歯類を対象に様々なエンリッチメントをおこなっています。それらを写真を中心に紹介します。

お知らせ P.16-17

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(小倉)

 

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