リサイクル・オオハシ用つけるだけパイナップルフィーダー

  • 採食エンリッチメント
  • 種名:オニオオハシ(Ramphastos toco
  • 場所:福山市立動物園
  • 目的:採食時間を延ばす、エサの探索、くちばしを使う行動を誘発。

南米のジャングルやサバンナで暮らすオニオオハシは、体のサイズに対し飛び抜けて大きなくちばしを持ち、そのくちばしを使って森の果物を口へ投げ入れたり、選り分けたり、さらには足も使ってエサを細かくしたりします。また、採食場面以外でも巣を作成するためにクチバシを使って木屑を取り出したりなどと、様々な場面でくちばしを器用に使います。

しかし、飼育下でアルミバット等を使った給餌をすると、視覚的にエサが一目瞭然であり、また選り分けずに簡単に獲得できるため、くちばしを使う機会が限られてしまいます。

この点を改善するためには、エサを隠したり、フィーダーを工夫して簡単には採食できなくしたりする必要があります。しかし、新しく複雑なフィーダーを作るとなると、資金、飼育作業の手間や時間を気にされる方もいるかと思います。

そこで、今回はそのあたりも考慮したオニオオハシのフィーダーを紹介します。
使用したのは『パイナップルのヘタ』です。
園内の他動物のエサとして入荷しているパイナップル!
その捨てられる(堆肥等になる)はずだったヘタを拝借して、フィーダーとして使用しています。
パイナップルのヘタは自然と複雑な構造になっていますので、その葉と葉の間の中に、細かく切ったエサを適当にちりばめます。

 

取り付け加工も、ヘタの芯部分に番線を差し込み、給餌したい場所に固定するだけで、作業はほとんど必要ありません。

設置直後は、パイナップルのヘタにエサが入っているとは思わなかったようで、近くの枝に止まり、上から見ていましたが、
エサの存在を把握すると、どこに食べたいエサがあるかをさらに近づいてチェックし、くちばしを差し込んで選り分けながら、エサを獲得し食べて行きました。
設置初日で、問題なく採食していました。

 

パイナップルフィーダー オニオオハシ使用時の動画

食べ残しの確認をしたい時は、フィーダーを逆にして少し振れば、残ったエサが簡単に落ちてきます。
ヘタ自体が2、3日でへたってくるので、フィーダー使用後は堆肥など通常の処理をして、新しいものと交換すると良いかもしれません。

最後に当園での副産物として、バット給餌では、スズメなどの盗食被害にあっていましたが、パイナップルのヘタを使用し始めて、盗食被害がなくなったので、エンリッチメント以外での良い効果も見られました。

 

(萩原慎太郎・杜師弘太)

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