2017年5月KOAZAKワークショップに参加して

5月に開催いたしましたKOAZAK(九州沖縄動物園水族館飼育者の会)での環境エンリッチメントワークショップについて、参加者の一人である鹿児島市平川動物公園の河野めぐみさんにレポートを書いていただきました!参加された方の視点からの感想をご紹介いたします。

以前から動物の暮らしをより良くするためのこのワークショップに興味があり、九州・熊本での開催でしたので、「これは行かねば」と私は今回初めて参加いたしました。

ワークショップでは、SPIDERモデルの一連を体験することがねらいでエンリッチメント概論や行動観察など丁寧にレクチャーを受けてからの実習でした。今まで読んだり聞いたりだけでは分からなかった様々なことが一連を体験することで様々実感することができました。まず、「ただ行うだけ」なのはもったいなく、ちょっとだけ準備をすればSPIDERモデルもより易しく回すことに繋がるということです。目標設定は、当然のことだと思います。しかし、どのような行動を引き出すために行うかの目標設定をすることで、改めて対象動物が日々ある刺激に対してどのような行動を発現したことがあるのかを考える必要があり、その振り返りが成功への近道になると思いました。加えて、対象動物の日々の暮らしに必要なこと(例えば活動量、採食の内容、生活リズムなど)も見返すこともエンリッチメントを行うときに大ヒントになることを実感しました。(ちょうど先日国際エンリッチメント会議に参加するためにコロンビアに行かれていたSHAPE-Japanの小倉先生にお話を伺ったところでした。動物の野生下での様子を聞き、対象動物の本来の生態を知ること、何をどのように食べて、どのような生活をしているのかを知ることが非常に大事だと再認識しました。)

また評価するための観察も今回は参加者全員で行いましたが、スキャンサンプリングのルールさえすり合わせておけばいつでも・だれでもできるということで行動観察のデータを取りやすくなると思いました。さらに、今回の実習でSPIDERモデルを行って、評価する際に環境作りをより良くするための改善方法もたくさん出てきて、目的の問題を解決する方法に対しても、今回はフィーダーを設置しましたが、これとは違う角度の手段として逃避場を作るなども挙げられたことが驚きでした。また、フィーダの利用に伴い、動物の足裏には影響はないのかなど安全対策のことも話題に挙がりました。この再調整の機会が「ただ行うだけ」では得られない、よりよいエンリッチメントにつながると実感できました。

今回のワークショップに参加して一番感謝したいことは、いろんな方々と交流させてもらえたことでした。実習中もディスカッションでもより良い環境づくりのための様々なアイデアをうかがえました。このような機会を設けてくださったKOAZAK事務局、熊本市動植物園のみなさま、誠に感謝いたします。また、子(ネズミ)班のみなさまには、何も知らないし出来ない私にものの使い方やコツをやさしく教えてくださいました。講師兼子班リーダーの荒井さんにはエンリッチメントの極意や小倉先生との活動のことなど実例を教えていただきました。伴さんには、SPIDERモデルを継続的に行われいらっしゃるお話や簡単なエンリッチメントなど教えていただきました。SHAPE-Japanの木岡さんには、エンリッチメントのこともですが、栄養管理の相談にも乗っていただき、給餌内容を見直すきっかけになりました。ワークショップのはじめに伊藤先生の行動観察のレクチャーがあって、大学の授業が遠い記憶でしたが、復習ができスムーズに取り込むことができました。本当にありがとうございました。このような機会があれば、またぜひ参加させていただきたいと思います。そして、私の拙い文章を読んでくださったみなさまもぜひとも参加されてみてはいかがでしょうか。

 

河野(こうの)めぐみ

鹿児島市平川動物公園 飼育展示係

2014年3月まで北里大学獣医学部に在籍、そこで小倉匡俊先生に出会い、SHAPE-Japanの活動を知りました。

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