第29回全国飼育のつどい広島大会レポート

2013年12月2・3日に広島県の湯来西公民館と広島市国民宿舎湯来ロッジ、安佐動物公園にて「第29回全国飼育のつどい」が開催されました。全国の動物園・水族館から飼育担当者が集まるこの会でSHAPE-Japanの活動を広く知ってもらいたいと考え、事務局から小山と小倉の2人が参加しました。

1日目は、まず京都大学野生動物研究センターの伊谷原一教授の講演から始まりました。フィールド研究とチンパンジー飼育施設での経験から、飼育担当者も実際に野生環境で暮らす動物の姿を見ることが重要であるとお話しくださいました。また、動物がなぜそのような行動を示すのか解明するためのアプローチとして、飼育下とフィールドとの双方の視点が不可欠であることから、今後は動物園の果たすべき役割の一つである「研究」にもさらに力を注ぐ必要があると強調されていました。

講演会の後は、担当動物や業務ごとに分かれての分科会でした。有袋類の分科会では主にカンガルーやワラビーの飼育管理の方法について情報交換がなされました。たとえば人工哺育の際に用いる餌や、新規個体の群れへの導入方法などが議論されました。教育・普及の分科会では、公立施設から6園、民間施設から2園、民間団体から1団体が参加し、動物園における教育活動の考え方や実際の取り組み、課題などが話題となりました。各園で実施されるバックヤードツアーや飼育体験、観察会、工作など工夫を凝らしたプログラムが沢山紹介されました。地域と連携している園館、飼育担当者が個人で取り組んでいる園館など実施の体制はさまざまでしたが、教育活動を通して来園者に何を伝えるべきか、学校教育機関とどのように連携していくべきかを、各園で考えていく必要があるということで締めくくられました。

分科会でじっくりと話し合った後は、全体での懇親会へと移りました。かねてより「飼育の集いでは懇親会こそがメインイベントと言っても過言ではない」と聞いていましたが、その通りにとても盛り上がった懇親会でした。

SHAPE-Japanのメンバーも、多くの関係者の方々に活動のアピールをさせていただきました。大変うれしいことに、SHAPE-JapanのHPでご自身の動物園でおこなっている環境エンリッチメントをぜひ紹介して欲しいという申し出や、ワークショップ開催をご支援くださるお話しをいただきました。また、ウェブサイトをご見ていただいた方から励ましの言葉もいただきました。お聞きした意見は、ぜひ今後の活動に活かしていきたいと考えています。ご挨拶をさせていただきました皆さま、どうもありがとうございました!懇親会の後の二次会でも参加者同士の話は尽きることはなく、楽しい時間は明け方まで続いたのでした…

2日目は安佐動物公園に移動し、総会の後に園内を見学しました。バックヤードツアーでは、キリンに舌を使って採食させるための給餌箱の工夫、チーターの新しい放飼場の特徴、ゾウの足のトレーニングができるよう改良された寝室など、飼育担当者による丁寧な説明があり、それぞれの熱意が伝わってきました。

今回の飼育のつどいをきっかけに、当ウェブサイトをご覧になった方もいらっしゃることと思います。ぜひ過去の記事も見てみてください。今後も、このような場に参加して、SHAPE-Japanをより多くの動物飼育に関わる方々に知っていただき、現場により有効活用できるような環境エンリッチメントの考え方や実践的な手法に関する情報を共有していきたいと考えています。

(小倉・小山)

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